氷室京介やhideやBABYMETALのダンスと三浦大知のダンスの「かっこよさのちがい」について。

目次

はじめに

 ボーカリストのダンスには、独特の魅力があるような気がしている。

 ダンスをメインとしていないボーカリストが、ミュージックビデオなどで、ダンスというか、多少のふりつけがあるとき、ダンサーやダンスもできるボーカリストとは、ちがった魅力を感じる。

 特徴としては、ダンスとしては、リズム感からは、ややはずれているようにみえるが、しかし、バックにながれる音楽とは共鳴している。ふりつけ的には、ちょっとダサいようにもおもえるけれど、全体をとおしてみると、非常に調和していて、かえって、そのダサさがかっこよいように感じる。

 BABYMETALのSU-METALのことを記事にかいたのがきっかけで、Twitterでつぎのような議論をしたことで、着想がまとまった。

ボーカリストのダンス 

例①氷室京介

 KISS MEのふりつけは、いまさらいう必要もないが、独特の魅力がある。氷室京介にしかだせないキレがあるとおもう。1分30秒くらいからの、2回目のサビのところは、どれだけダンスのうまいひとがやっても、これ以上のかっこよさはだせないだろうとおもう。


KYOSUKE HIMURO -KISS ME-

例②hide(X JAPAN HIDE)

 ピンクスパイダーは、詞の世界の独特さだけでなく、ミュージックビデオでのhideのうごきも魅力的だ。hideにしかだせない味があるようにおもう。サビの「ピンク スパイダー!」というところで、片足で、うしろにけんけんしたりしているけれど、あのかっこよさの感じは、たぶんダンサーにはだすことができない。


hide with Spread Beaver - ピンク スパイダー

例③BABYMETAL SU-METAL

 着想をえた発端となっSU-METALのダンスだけど、氷室京介とか、hideとおなじく、やっぱり味があるようにおもう。YUIMETALとMOAMETALは、ダンス的にうまい方だとおもえるけど、それと比較するとSU-METALのダンスはリズム感的にはちょっとズレているように感じるけれど、音楽からはズレていないようにみえる。リズムからズレているようにみえるところが、かえって、独特で個性的な表現にみえる。


BABYMETAL - メギツネ - MEGITSUNE (OFFICIAL)

 

ダンサー的ボーカリストのダンス

例 三浦大知

 三浦大知は、ドラゴンボールの新作映画の主題歌で、気になった。歌がかっこよくて、みてみたら、ダンスもかっこよい。素人がみても、うまい。ダンスと歌が融合した感じだ。マイケル・ジャクソンとかの系譜なのかとおもうけれど。


三浦大知 (Daichi Miura) / Blizzard (映画『ドラゴンボール超 ブロリー』主題歌)

 

「ボーカリストのダンス」と「ダンサー的ボーカリストのダンス」の比較をとおして

①比較対象の恣意性について

 ぼく自身が、かっこよいとおもう音楽をとりあげて、比較してるので、恣意的な比較対象だとはおもう。しかし、かっこよいというのは、はじめから主観的要素がおおい。それに、ぼくがしたいのは、「主観的に、なにをどう感じるのか」ということを詳細に、ことばで表現することなのだ。

②それぞれのよさ

 三浦大知のダンスは、とてもかっこよい。それはダンスのプロとしての矜持がみえるくらいの表現だとおもう。素人にはわからない、むずかしいテクニックもたくさんつかっているんだとおもう。

 一方で、氷室京介、hide、BABYMETALはというと、ダンスのプロではない。また、リズム感的には、ややズレているようにもみえるし、ふりつけ的には、冷静にみるとちょっとダサいかもしれない。にもかかわらず、かっこよい。重要なのは、「かっこよい」と感じることなのだ。「ダサい」とあえていったけれど、それは本当にダサいという意味ではなく、ほかのひとがどれだけマネしても、その通りの表現はできずに、ダサくなってしまうという意味だ。

③「音でおどる」と「リズム感でおどる」とで、2つに分類できる、ちがうかっこよさ

 着想なので、結論はないので、ボチボチおえる。はじめにかいたとおり、「音でおどる」のか、「リズム感でおどる」のかで、ちがってくるのだろうか。

 おどるという行為はおなじで、どちらもかっこよいのに、かっこよいと感じる主観的なところでは、そのかっこよさは、すくなくとも2つに分類できるのが、不思議で、おもしろいとおもう。