胡蝶の夢~告白という夢とリアル~
夢から目がさめることが、ややこわい。
ある時期から、いや、もともとか。現実をいきながらも、夢のなかにいきているような気で、いきてきたふしがある。
それをあるひとはやや肯定的にファンタジーとよび、またあるひとはやや否定的にピーターパンだといった。それは、自分でわかっていたことなので、特別に、なにかを感じることはなかった。
ただ、夢のなかにいきていることを現実の人間に、認識してもらえたことはうれしかった。ここで、はじめて自分の実体をつかんだような気もしている。
たぶんhideとの出会いはそのあとにある。
なにかhideからは可能性を感じた。「感じるままに、おもうようにやってみること」の意味をさぐりたくなった。
ぼくにも、hideのように、空をとべるのではないかとおもうようになった。夢のなかから、現実へrocket diveしてみたくなった。
夢のなかでやっていたことを現実でやってみるようになった。すきなことを、まわりなど気にせず、そのまますきだと、うけいれはじめた。
それからは、なにか時空がゆがみ、そこに亀裂がはいって、夢のなかから、自分がはいでてきたような感じがしている。
現実が夢のようにもなったし、夢が現実にもなってきた。
夢みていたことが、現実にできるようになったり、「これが現実だ」とおもっていたものが、夢のように感じられたり。
いったいぼくは、いま目ざめているのか、まだ夢をみているのか。そういう感じが、一年ほどつづいてきた。
しかし、いま、どうも夢から目がさめるときが、ちかづきつつある気がしている。
これまでは、夢と現実とのはざまから、時空のゆがみに乗じて、はいでてきた。しかし、もうじき、夢と現実とが通じている唯一の扉を自分の手でひらく瞬間がくるような気がしている。
なにかすごくおおきな変化がおきそうな気がしている。いきかたの根本が、変化するときがくるような気がしている。
自分の手で、夢から現実への扉をひらくのは、ちょっとこわい気がする。もう二度と「いまの自分」には、もどることができなくなるような予感がしたり。
(なんで夢から目がさめなくっちゃいけないんだ!お前は夢の重大さをしらないわけじゃないだろう。
目をさませ、いやちがった、目をさますな!夢のなかをいきつづけろ!いままでだって、現実をいきながらも夢のなかにいきれたじゃないか。
お前のrocket diveは、現実をぶっこわして、夢を現実にすることじゃなかったのか?)
みたいに、すごく不安がっている自分がいる気もする。
○以前のように夢のなかをいきつづけるのか
○あきらめて現実だけをいきるのか
○この一年ほどつづけた胡蝶の夢のような状態で、夢と現実のはざまをさまよいながら、いきつづけるのか
○夢と現実との扉を、みずからの手でひらいて、自由にいったり、きたりして、いきていくのか
ぼくにそれができるのだろうか。すごく不安だ。なにかをうしなっても、なにかを手にいれても、ダメな気がする。どうしたらうまくいくのか、ちょっとわからない。