3年くらいまえに、革をあつかうHERZというお店の大阪の店舗で、本革のしっかりした財布をかいました。当時は堀江にありましたが、いまは場所を移転しているようです。
旅行で、博多の街をあるいていると、偶然にも、HERZ博多店をみつけました。せっかくなので、のぞいてみました。
店内は、商品を陳列しているだけでなく、工房がむきだしになっていて、のぞいてみることができるようになっています。ミシンが数台ならんでいたりして、いかにもハンドメイド感がただよっています。
店内をブラブラしていたら、職人のお兄さんが、「よかったら手にとって、みてくださいね。」と声をかけてくれたので、ぼくは「実は、大阪の店舗で、これをかっていまして。」と、自分の財布をみせました。
はなしやすい雰囲気をだしているお兄さんだったので、財布をわざわざみせたのと工房がみえていたものだから、「大阪の店舗でかったものなのですが、ボタンが、こわれかけているのを修理してもらうことって、できますか?」とたずねてみました。「問題なくできますよ。」とのことでしたので、ボタンひとつ500円で、3箇所、修理してもらいました。10分くらいで、すぐになおしてくれました。
ボタンがすこしかたくて、パチッとしまる音が、とてもいいです。
この財布については、すこしつかいにくさを感じていました。構造的にボタンがこわれやすい気がしていたのですが、これについては、この日、その職人のお兄さんに、「ボタンがいたむのは、しかたがない部分もあるので、気にせずつかっていただいて、ダメになったら、また修理すれば、革自体は丈夫なので、ながくつかうことができます。」と解説してもらい、納得できました。こまめに修理して、ながくつかうというのが、すこしカッコいい気がしました。
こちらの職人のお兄さんからは、財布の修理とお会計がおわったあと、博多駅にある「なごみ」という飲食店がオススメだということをおしえていただきました。お店のひとたちで、よく利用するとのことです。
また、お兄さんいわく、「大阪の店舗に、修理のヘルプでいっていたこともある。」ということで、職人の仕事事情をすこし社会見学できた気がしています。
なんというか、この財布にまつわる物語が誕生したようにおもえて、愛着がつよくなった気がしています。この財布の革には、大阪と博多のにおいがしみこんだような気がしています。