自分がどういう人間なのかを説明するのは、ぼくの力量では、ちょっとむずかしすぎる。
これは、説明できへんわ。たいへんや。
自分が、何をすることができて、これまで何をしてきて、これから何をやりたくて、いまをいきているのか、どうしたって、説明できない。
これがつまり、『アウトサイダー』の問題なのだとおもう。先人たちがどれだけ、ことばをつくしても、説明しつくせなかったのが、アウトサイダーという人間の本質なのだとおもう。どれだけ、ことばをつくしても、ちょっとちがうという感じ。何度、お尻をふいても、とれない大便ののこりカスみたいな気もちのわるさ。すいません、きたない表現で。
自分のことを説明するのは、無理だ。なので、今後は、あきらめて、「推定自分」みたいな感じで、ゆるく、かるいノリで、説明するしかない。
数年前、就職活動のための面接で挫折した。当時は、それにとてもくるしんだが、アウトサイダーには、そんなことはできないのだから、くるしむことはなかったのだ。
自己分析とか、ああいうのも、アウトサイダーはやる必要はない。あんなもので、自分のことがわかれば、アウトサイダーに苦労はない。
当時、就職活動の面接で、どれだけ、「ぼくの本棚をみてください」といいたかったことか。「なんにも説明することができなくて、ことばが頭にうかんでこないので、本棚をみてください。なんなら、全部メモってきます。」といいたかった。自分ひとりのちからで、たべていけるようにならなければ、いきていけないとおもいこんで、くるしんでいたので、そんな博打をうつことはできなかったが。
コリン・ウィルソンというひとの『アウトサイダー』という本をよんでいるが、とりあげている参考文献やその著者が、ほとんど過去に、よんだか、目をとおしたものなので、すごく変な感じでいる。
ちなみに、こうして、たのしんでいる、ぼくのお酒ののみかたは、アウトサイダーのひとつの特徴みたいだ。この本をよんでいると、どうもそんな気がする。べつに、どっちでもいいんやけど、ちょっとイヤーな感じではある。
- 作者: コリン・ウィルソン,中村保男
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