居酒屋。ここちよい時間。
いま、いきつけの居酒屋のカウンターで、ひとりで、ひっそりとお酒をのんでいる。
この居酒屋の店内は、わりとひろい。
店内は、余計なインテリアをおかず、席も間じきりしていないくて、お客をおおく収容できるつくりになっている。
従業員は、10人くらいいるだろうか。かれらは、そのひろい店内をいそがしく、はしりまわっている。
店内は、お客の声で、にぎやかだ。
「すんませーん」と、客が従業員をよぶ声に、従業員が「はいよー」と、小気味よく呼応する。
今日は、従業員に、みたことのないわかい女性がいる。どうやら新いりのようだ。
新いりとはいえども、小気味よさは、ほかにおとらず、すきとおった、ややたかい声がひびきわたる。
ぼくはこの居酒屋の声だしが、すごくすきだ。
どの従業員も、自分のこころの芯からの声をだしているように感じられて、とてもききごこちがよい。表情もいきいきとしている。
特に、このわかい新いりは、かわいらしい。
とはいえども、やっぱり、ちょっとはずかしそうだったり、くらい顔をした従業員もいる。しかし、それもおもしろい。