就活に失敗してから、河合隼雄を手にとった。ぼくのコンプレックスの正体。鍵は孤独とむきあうことにあった。愛することって…。

あけずにいられたら、しあわせだっただろうか。

しかし、あけてしまった扉は、もうしめることはできない。

一度みた世界は、わすれることはできない。

河合隼雄の『無意識の構造』と『コンプレックス』をよんでから、もう就活とか、生計をたてるとか、そんなことはかんがえられなくなった。

無意識の構造 (中公新書)

無意識の構造 (中公新書)

コンプレックス (岩波新書)

コンプレックス (岩波新書)

たぶんもともと興味があったのだとおもう。

いったいなにがぼくのこころをゆがめるのだろう。

なんとなく、いま、こたえがみつかった。

孤独。

こいつが、ぼくのコンプレックスの鍵をにぎる。

相手に気もちをつたえることができない。
また、相手に気もちをつたえても、その返答としての相手からの気もちをうけとめることができない。

どれだけさけんでも声はとどかない。
声がとどかないのは、とどいていないからじゃない。
自分が相手からの応答の声をきいていないだけだ。

気もちがとどいていないんじゃない。
気もちをうけとっていないんだ。

孤独は、自分にあった。
相手にはなかった。
孤独だったのは、自分が他者をよせつけていなかったからだ。

こころのゆがみは、孤独のせいではない。
こころのゆがみは、どういえばいいだろう。

相手の気もちをきくことがこわい。
相手の気もちで傷つくのがこわい。
耳をふさごう。ききたくない。にげよう。

こういうことをしてしまう自分が、自分のこころをゆがめていたのだ。

孤独感は、「相手の気もちをきくことがこわい。ききたくない。にげよう。」というところから、うまれてきたのだ。

相手の気もちをきいて、傷つくことをおそれるな。
孤独の方がずっとつらいだろう。

自分の気もちだけをつたえて、にげるな。
相手の気もちをしっかりとうけとめろ。

いや順序が逆だ。
相手の気もちをしっかりとうけとめてから、自分の気もちをつたえてみろ。
相手の気もちをくまずに、自分の気もちだけをつたえるな。

そんなのは愛じゃない。