おもいこみのなかで、勝手に激怒するひと。おもいこみのなかに、とじこもって、虚無的になるひと。ふたつの人間の型は、まるで「おなじ穴のむじな」なのに、わかりあえない。

あるひとが、といかけなり、発言したことを、聞き手のなかで、「こういう意味でいっているのかな」と解釈することは、全然よい。しかし、それは、この時点では、ほとんど勝手な解釈であるわけなので、「あんたがいっていることは、つまりこういうことか?」と、ことばをついでもらいたい。これをせずに、自分の思考回路のなかで、完結してしまうひとをときおりみかけるが、特別ひどい場合など、1をきいて、勝手に10も解釈をひろげて、癇癪をおこしたり、怒気をふくんだ声をあらげはじめるひとがいるから、これには、まいってしまう。

ぼくがであってきたひとたちの印象的に、50歳以上の年配のひとに、こういう感じのひとはおおいような気がするが、このようなひとは、つまりは、ピンクスパイダーであり、「自分のおもいこみのなかから、ぬけだせない人間」なのであり、年代をとわずにいるのだとおもう。

ところで、ピンクスパイダーとは、妄想やおもいこみの世界にいきる人間のことをいうが、ピンクスパイダーという本質をもっている人間のあらわれかたは、ざっくりいうと、若年と年配とで、ちょっと違う気がする。

若年のひとの場合は、おもいこみを外にはださずに、口をつぐむ。内向的に、自分の世界にとじこもって、外界に対して、虚無的になる。一方、年配のひとの場合は、自分がおもいこみの世界の住人であることを自覚しておらず、外向的で、社会にひらかれた人間だと"おもいこんで"いて、社会や他人に対して、やかましくなる。

それで、いったい、なにを、いいたいのかというと、たぶん、内向的ピンクスパイダーと外向的ピンクスパイダーとの会話は、全然かみあわないだろうなってことだけど、まあ、なんでもいい。ねむたくなってきたし、ねる。