ひととひととの距離感。

リストカットの跡をみつけたら、初対面のだれであろうと、そんなことはやめなさい、といってあげるのが、ひとの道なのだとおもうけれど、それをいえない、いわないという選択をせざるをえないのが、つまり、うすい関係性しかもちあわせていないことをあらわしているような気がする。これが、現代をいきるわたしたちの距離感なのかもしれないとおもった。

職場の臨床心理士にきいたが、「身をきりきざみたくなれば、二重にした輪ゴムで、バチンとしなさい。」というのが、脱リストカットのひとつの方法らしい。

リストカットの傷は、一生のこる。きみがひとの親になった未来に、かならず後悔するだろうとおもうから、やめておきなさい。」ということは、"あたりまえ"のことだとおもう。

リストカットの不思議は、どうも「ある関係性」のひとには、かならずみえるところに、傷があることだとおもう。これはつまり、その傷をみたひとへのメッセージなのではないだろうかとおもう。ぼくは、わが身を物質的に傷つけることはないので、経験的には、よくわからないが。