あいみょんと喫茶店。

コロナさわぎがはじまるまえ、休日の朝は、10時ころから、喫茶店にいっていた。モーニングセットをたべながら、本をよむという習慣ができあがりつつあった。

 

その喫茶店では、ラジオがながれている。とにかくよく、"あいみょん"の歌、とくに「マリーゴールド」がながれていた。そのラジオの番組が、なにであるのかはわからないが、FM802だということはわかっている。


あいみょん - マリーゴールド【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

あいみょんなんかに、はじめは興味はなかった。しかし、毎週、おなじ時間帯に、おなじ風景のなか、彼女の歌をきいていると、いつのまにやら、きき心地のよさを感じはじめた。ほかにも、いろいろと、あいみょんの歌がながれていたが、とりわけ「マリーゴールド」が印象的であった。

 

あいみょんは、まず声がよい。最近の商業的にうれている歌手にはめずらしく、自分の声をつかんでいるようにおもう。多少かっこつけた感じのところもあるが、基本は背のびをせず、無理のない歌声であるようにおもう。それが心地よい。また、曲調については、どこかなつかしさがあり、喫茶店のラジオからながれてくる音楽として、ふさわしい気が、なんとなくする。スターバックスみたいなところでは、すこしちがうとおもう。

 

マリーゴールド」に関していえば、とりわけ歌詞がよい。そのよさは、解釈をとやかくいうものではないとおもう。彼女の等身大をうたっているという、その"感じ"がよいのである。歌詞の意味などをとやかく詮索せず、きく側も、等身大の自分で、からだ全体をはたらかせて、彼女の歌を感じて、たのしめばよいのである。

 

なにげなくきこえてくる、あいみょんの等身大の歌は、自分自身でかたちづくっていく生活のなかに、すこしばかり、いろどりをそえてくれていたようである。こんなふうに、あいみょんの歌をきくように、肩のちからをぬいて生活ができることこそ、しあわせなのだとおもう。ぼくにとって、あいみょんと喫茶店は、その象徴のひとつなのだとおもう。

 

 

マリーゴールド

マリーゴールド

  • アーティスト:あいみょん
  • 発売日: 2018/08/08
  • メディア: CD