80点でいい。100点はいらない。20点だけ、あそびのあるゆたかさ

論じるより、たれながす方がおもしろい。性分にあっている。

論じると100点をださないと、意味は通じない。たとえ1点でもおとすと、そこからほころびがでてきて、まちがって、つたわってしまう。しかし、たれながすのなら、80点くらいでも、なんとなく通じる。なぜなら、のこりの20点は、他者が、各々の論理や想像によって、うめてくれるからだ。

明石家さんまは、「100点はええねん。80点くらいのところで、あそぶのが、俺のお笑いや」という。

ポピュラー音楽も、お笑いも、小説も、学者のかく学術書ではない本も、漫画も、すべてそういう「80点くらいのあそび」があるとおもう。そういうものに、ぼくがふれるとき、いつも20点をうめるちかづきかたをしている。自分には、20点だけうめることができて、80点だけ表現できる論理力や想像力があればよいとおもう。

まだ、なぜ性分にあっているのかということをちゃんと説明していない。

しかし、性分のことを説明するのは、そもそも無用のことなのかもしれない。

ひとつだけ、たしかだといえるのは、20点だけ、他者にひらかれているという感じが、ここちよくて、すきだということだ。